球磨郡多良木町 赤坂古墳群1号墳
球磨郡あさぎり町 才園古墳群2号墳
測量調査
(2025年度)
徒 然 な る ま ま に
球磨郡あさぎり町 才園古墳群2号墳
測量調査
(2025年度)
徒 然 な る ま ま に
2025年9月19日(金) 第4日目(最終日)
 第4日目。最終日。「ビジネスホテルかどや」をチェックアウトしたあと、まずは才園2号墳にて、RTK-GNSSによる基準点測量、そして標定点の測量を実施しました。
とっぺんの田中さんが円城寺さんの測量作業を指導している様子をみていて、教え方についていろいろ学ぶ点がありました。
その終了後、私は玄室四壁写真の再撮影。
昨日の写真に不満な点があったので、フラッシュを変えて、撮影してみました。
以下がその写真です。
昨日の写真よりも鮮やかさが増しているように思いますが、いかがでしょうか。
才園2号墳での作業は午前11時頃に終了し、すぐに赤坂1号墳に向いました。
赤坂1号墳の玄門まぐさ石下面には、閉塞石を受ける突起が作り出されているのですが、その突起と閉塞石との関係が、一昨日撮影した写真だけではうまく表現されていなかったので、その部分の追加の細部写真を撮影した次第です。
石材同士がごく近接している狭い隙間を、しかもその横から撮影しにくい箇所の様子を、SfMでうまく表すのは至難の業です。
今後、とっぺんさんに様々な処理を施していただく予定ですが、どの程度正確に表されるのか、とても楽しみにしています。
SfMによる3次元計測の有効性と限界性がよく分かるかもしれません。
ほかに、赤坂1号墳でも、RTK-GNSSによる基準点測量と標定点測量を実施しました。
そして、すべての現場作業を終えたのは午後3時過ぎ。
多良木町の永井さんに挨拶をして、現場をあとにしました。
とっぺんのお二人とはここでお別れ。
私と学生さんは、人吉城歴史館に立ち寄ったのち、大学資料室に戻りました。
大学に到着したのは、午後7時前だったでしょうか。
器材を片付け、学生さんを自宅近くまで送り、そして私は大学の研究室にドローンなどの私物を運び込んだのち、帰宅の途につきました。
昨年度は、文学部の入試委員長という重責を担っていたこともあり、フィールド調査実施の時間を確保することがどうしてもできませんでした。
ですので、今回は、2023年度の阿蘇市平原古墳群発掘調査および錦町亀塚古墳群測量調査以来、2年ぶりのフィールド調査でした。
残暑といっては暑すぎる気候で、コロコロ変わる天気には悩まされましたが、やっぱり現場は楽しいものだと再認識した4日間でした。
手伝ってくれた学生さんにとっても、何か1つでも得るところがあったことを願っています。
2025年9月18日(木) 第3日目
昨夜は、あさぎり町の秋元さん、多良木町の永井さん、上村さんとの懇親会でした。
とっぺんからは高瀬さん、田中さん、円城寺さんが出席。
楽しい懇親会を企画して下さった秋元さんには本当に感謝です。
さて、今、朝の7時過ぎ。
雨が降っています。
いつ頃やむのか、心配ですが、でも待つしかありません。
今、夕方。午後6時。
午後5時前に現場から帰ってきて、シャワーを浴びたあと、写真データの整理をしつつ、夕食までの合間にこれを書いています。
午前8時30分頃、あさぎり町教育委員会に才園2号墳のフェンスの鍵を借りに行ったときは、少し雨が降っていました。
このときの天気予報も昼頃までは雨模様とされていました。
でも、才園2号墳に到着し、計測の準備をしているうちに雨が上がりました。
そして、1日中、作業ができました。
昼過ぎからは、逆に晴れすぎて困ったくらいの天気でした。
今日の作業は1日中、才園2号墳にて行い、一通りの撮影を終えることができました。
この4枚の写真は、才園2号墳の横穴式石室。玄室の四壁の様子です。
左上は玄門、右上は右側壁、左下は奥壁、右下は左側壁。
ちょっと太陽光が強すぎてバックが飛んでいるので、明日、もう一度撮影できればと思っています。
この2枚は、石室全体を玄門方向からみた様子です。
石室の主軸方向はほぼ南北をなしていて、昼頃からの晴れ間では太陽光が差し込んで写真が撮れないので、寒冷紗を4枚重ねて影を作りました。
右の写真はその様子を示しています。
この2枚は上空から。
左は人吉方向を、右は多良木方向を望んでいます。
稲穂がもう少し黄色くなった頃の晴天時に写したら、もっと雰囲気のある写真になるように思います。
機会をみて、再撮影したいですね。
2025年9月17日(水) 第2日目
天候不順な1日。
晴れたり、雨が降ったり、曇ったりが、ひんぱんに繰り返される1日でした。
7時30分に朝食、8時30分にホテルを出発して、学生さんと2人、現場に向かいました。
とっぺんさんが現場に到着するまで、iPadのLiDARによる石室の3次元計測やドローンによる空中写真撮影を行っていました。
11時過ぎ、とっぺんさんが到着。
少し早い昼食ののち、赤坂1号墳の横穴式石室の3次元計測作業に入りました。
実際の作業はとっぺんの田中さん、円城寺さんに任せました。
私と学生さんはそのお手伝いをしましたが、とくに学生さんには、とっぺんさんが実際に行っておられる作業の意味を理解して欲しいと願っています。
とっぺんのお二人は質問したら答えて下さるので、学生さんには自ら積極的に関わっていって欲しいと思います。
この2枚の写真のうち、左側は石室計測風景。
中央に写るのがとっぺんの田中さん、その右側のポールを持っているのはとっぺんの円城寺さんです。
右側は石室の全景を写したものです。
とっぺんさんが到着されるまでの雲間を利用して撮影しました。
この2枚のうち、左側の写真は赤坂1号墳から東側を望んだ様子。
右側は西側の人吉方面を望んだ様子です。
明日は才園2号墳の石室測量の予定です。
天候に恵まれることを心から願っています。
2025年9月16日(火) 第1日目
今、あさぎり町のあさぎり駅前、「ビジネスホテルかどや」」の一室にいます。
今日から19日までの予定で、多良木町赤坂古墳群1号墳およびあさぎり町才園古墳群2号墳の石室測量調査です。
どちらの横穴式石室も天井石がなく露出していて、とくに西日が当る側の石材がかなり劣化しています。
そのため、以前から、現状の記録を取っておくべきだと思っていたのですが、今回、多良木町とあさぎり町のご理解を得て、3次元計測を実施する運びとなりました。
この2枚の写真は、赤坂1号墳の横穴式石室の現状。
下草や落葉などの除去後の本日昼頃の様子です。
左側の写真からは、石室の上半部が完全に取り除かれていること、腰石の上に円礫が積まれていること、その円礫は後補であることなどが読み取れると思います。
右の写真に写るのは、玄門閉塞石の把手部分。
石材が相当に風化している様子がよく分かります。
このままでは、把手部分が失われてしまうのもそれほど遠い未来のことではないと思われます。
対策が急がれます。
次のこの2枚の写真のうち、左側は才園2号墳の玄門を外からみた様子です。
このような形で、横穴式石室の腰石が完全に露出しています。
この才園2号墳の石室石材表面の劣化も相当に進行していて、とても深刻な状態だと思います。
とくに西日が直接当る玄門閉塞石の上端部は、ほとんど原形をとどめていません。
現状の記録作成が急がれると思いますし、この劣化を少しでも遅らせる方策の検討も急がれると思います。
右側の写真は、ドローンからみた才園2号墳の様子。
ドローンを使うのはとても久しぶりで(2年ぶり?)、そのため、ドローンの操作を確認するため、試しに写してみたものです。
現場では、操作に関してちょっとバタバタしましたが、ホテルに戻って再確認したので、明日は大丈夫だと思っています。
さて、今日は7時半に大学を出て、あさぎり町、多良木町にやって来ました。
手伝ってくれる学生は、4年生の女子学生ただ1人。
その学生さんと午前9時45分にあさぎり町に到着。
教育長さんに挨拶したあと、午前中は赤坂1号墳の掃除を行いました。
その清掃中、これまではそれほど意識してみていなかった石室床面構造について、あらためて気付くことがありました。
明確な屍床の存在、、、
午後からは才園2号墳の清掃を行い、ドローン撮影の試行を行ったあと、午後4時頃にホテルに戻りました。
そしてコインランドリーで洗濯。
午後6時半頃から居酒屋で定食の夕食。
午後7時半頃にはホテルに戻りました。
今日は、こんな1日でした。
私にとっては、2023年以来2年ぶりのフィールド調査。
明日からは「株式会社とっぺん」さんの協力を得ながらも、現場を楽しみたいと思います。